Power Automateで承認フローを作る方法|休暇申請をテンプレートから自動化【2026年版】

はじめに
このページでは、Power Automateで承認フローを作る方法を、休暇申請を例に画像付きで1から解説します。Microsoftが用意した承認テンプレートを使うので、プログラミングの知識は不要です。
完成するのは、「申請フォームの送信 → 上長へ承認依頼メール → 承認・却下の結果を申請者へ自動返信」までを自動で行うフローです。紙やメールでやり取りしていた稟議・申請の電子化に、そのまま使えます。

テンプレートを使えば15分〜20分程で作れます!承認フローの「最初の1本」として、まずは動かしてみましょう。
- Microsoft Formsで作った休暇申請フォーム
- フォームが送信されると、上長(承認者)に承認依頼メールを自動送信
- 承認者がメール内のボタンで「承認」または「却下」
- 結果に応じて、申請者へ承認・却下の通知メールを自動返信
なお、本記事はSharePointリストとの連携や、部長→役員といった多段階の承認は扱いません。まずは標準テンプレートで動く最小構成を作ることをゴールにしています。より複雑な承認は別記事で解説予定です。
承認フローの全体像
作り始める前に、これから組み立てる承認フローの流れを確認しておきます。処理の順番は次のとおりです。
- 申請者が休暇申請フォームを送信する
- 送信をきっかけにフローが起動し、回答内容を取得する
- 承認者へ承認依頼(Start an approval)を送る
- 承認者の結果が「承認」か「却下」かで処理を分岐する
- 結果に応じた通知メールを申請者へ送信する
この5ステップは、Microsoftの承認テンプレートを選ぶとほぼ自動で組み込まれています。あとは「自分のフォーム」と「承認者のメールアドレス」を当てはめて、メール文面を整えるだけです。
事前準備
承認フローを作るには、以下が必要です。いずれもMicrosoft 365のアカウントがあれば利用できます。
- Microsoft 365アカウント(Power Automate・Forms・Outlookが使えるもの)
- Microsoft Forms(申請フォームの作成に使用)
- 承認者のメールアドレス(上長など、承認を依頼する相手)
STEP1:申請フォームをMicrosoft Formsで作る
はじめに、申請内容を入力してもらうフォームをMicrosoft Formsで作成します。今回は休暇申請を例に、次の4項目を用意しました。
- 氏名(テキスト)
- 休暇開始日(日付)
- 休暇終了日(日付)
- 休暇の種類(選択肢:有給休暇(全日)/有給休暇(半日 午前)/有給休暇(半日 午後)など)

項目名はあとでメール本文に差し込むので、分かりやすい名前を付けておくと後の設定が楽になります。フォームができたら、いよいよPower Automate側の設定に進みます。
STEP2:承認テンプレートを選ぶ
Power Automateにログインし、左メニューの[テンプレート]を開きます。検索ボックスに「承認」と入力し、表示される[Microsoft Form の送信時に承認プロセスを開始してメールを送信する]をクリックします。

テンプレートの説明画面が開きます。このフローが使う3つの接続先(Microsoft Forms / Standard approvals / Office 365 Outlook)にすべてサインインできていることを確認し、[続行]をクリックします。

STEP3:フローを編集する
ここからは、テンプレートに自分のフォームや承認者を当てはめていきます。各アクションを上から順に設定していきましょう。
トリガーと回答取得の設定
最初のトリガー[When a new response is submitted]を開き、[フォームID]のプルダウンから、STEP1で作成した「休暇申請」フォームを選択します。

次のアクション[Get response details]でも、同じく[フォームID]に「休暇申請」を指定します。[応答ID]には、動的なコンテンツから[応答ID]を選んで入れます(テンプレートでは最初から入っていることが多いです)。

承認アクション(Start an approval)の設定
続いて、承認の本体となる[Start an approval]アクションを設定します。ここで「誰に」「何を」承認してもらうかを決めます。
- 承認の種類:「承認/拒否 – 最初に応答」を選択(1人が承認すれば確定する基本パターン)
- タイトル:承認依頼メールの件名になる文言(例:休暇申請+申請者の氏名)
- 担当者:承認者(上長)のメールアドレスを入力
- 詳細:休暇開始日・休暇終了日・休暇の種類などを動的なコンテンツから差し込む

[詳細]欄には、右側の動的なコンテンツから「休暇開始日」「休暇終了日」「休暇の種類」などを選んで差し込みます。こうすることで、承認者は申請内容をひと目で確認できるようになります。
条件分岐(Condition)の設定
承認者が「承認」したか「却下」したかで送るメールを変えるため、[Condition(条件)]で分岐を作ります。比較する値には、承認アクションの[結果]を指定します。

条件は「結果」が「Approve」と等しいに設定します。左に動的なコンテンツの[結果]、演算子は[次の値に等しい]、右の値にApproveと入力します。

承認・却下メールの設定
最後に、分岐した先で申請者に送るメールを設定します。条件がTrue(承認)とFalse(却下)でそれぞれ別のメールを用意します。
True側の[Send an email for approval]を開きます。[宛先]に申請者(自分のアドレスや動的なコンテンツの回答者)、[件名]に「休暇申請が承認されました」、[本文]に休暇開始日・終了日・種類・承認コメントを差し込みます。

False側の[Send an email for rejection]も同様に設定します。[件名]は「休暇申請が却下されました」とし、本文に申請内容と却下理由(承認コメント)を差し込んでおくと、申請者に伝わりやすくなります。

すべて設定できたら、画面右上の[保存]をクリックします。これでフローの作成は完了です。お疲れ様でした。
STEP4:動作を確認する
実際にフォームを送信して、フローが正しく動くかテストします。まず作成した休暇申請フォームに回答して送信すると、承認者のもとに次のような承認依頼メールが届きます。

承認者はこのメール上で申請内容を確認し、コメントを入力して[承認]または[拒否]ボタンを押すだけです。Power Automateの画面を開く必要はありません。
承認者が[承認]を押すと、申請者には次のような承認結果のメールが自動で届きます。休暇開始日・終了日・種類・コメントが、申請内容どおりに反映されていればフローは成功です。


ここまで動けば成功です!承認フローの「最初の1本」が動くと、他の申請にも一気に応用したくなりますよ。
つまずきやすいポイント
承認フローがうまく動かないときに、よく原因になる箇所をまとめました。
- 承認したのに却下メールが届く
Conditionの条件値を確認してください。「Approved」ではなく「Approve」が正しい値です。末尾の「d」が付いていると条件が一致せず、承認しても却下(False)側のメールが送られます。
- メール本文に変な文字列が表示される
動的なコンテンツの選び間違いが原因です。差し込む項目は[Get response details]の下に出てくる質問項目(氏名・休暇開始日など)を選びます。IDのような項目を選んでいないか確認してください。
- 承認依頼メールのボタンが表示されない
メールクライアントのセキュリティ設定で、外部コンテンツがブロックされている場合があります。「ブロックされたコンテンツを表示」を選ぶか、Teamsや承認センター(Power Automateの[承認]メニュー)から承認すれば確実です。
- フローが起動しない
トリガーと[Get response details]のフォームIDが、テスト送信したフォームと一致しているかを確認してください。別のフォームを指定していると反応しません。フローが「オン」になっているかも合わせて確認します。
もっと手軽に/さらに発展させたいとき
「ここまで本格的な承認は不要で、メール上で○×を選んでもらうだけで十分」という場合は、Outlookの投票ボタンを使う方法が手軽です。下の記事で解説しています。

まとめ
Power Automateの承認テンプレートを使えば、プログラミングなしで承認フローを作れます。手順をおさらいすると次のとおりです。
- STEP1:Microsoft Formsで申請フォームを作る
- STEP2:「承認」で検索し、承認テンプレートを選ぶ
- STEP3:フォーム・承認者・条件(Approve)・メールを設定する
- STEP4:フォームを送信して動作を確認する
最初は英語のアクション名に戸惑うかもしれませんが、やること自体はシンプルです。休暇申請に限らず、稟議・経費・購買などさまざまな申請の電子化に応用できます。ぜひ自社の業務に合わせて活用してみてください。


